たった一人の親友へ〜another story〜
明らかに目を泳がせながら


首をおもいっきり横にふるさな


俺は彼女の様子を気にしながら


今まで内にあった思いを全て吐き出した


今思えば


俺は彼女のために自分の気持ちを伝えたんじゃない


これは単なる俺のわがままだったんだって


さなを知りたい


俺にだけ教えてほしい


俺の中で勝手に“さな”という人物を作り上げて


さなを俺の“もの”にした


彼女の涙を見て


必死に謝る自分は


何とも滑稽で


ちっぽけだった
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