たった一人の親友へ〜another story〜
「この文字・・・」


「そう。俺とおそろいだから。」


そう言って首にかけたネックレスをさなに見せる


「うそぉ。
もぉ翔やだぁ。」


一瞬で涙によってくずれたさなの顔


さなはガバッと勢いよく俺に抱きついて


少しの間俺の腕の中で泣き続けた


「もぉ。さなは本当泣き虫なんだから。」


「だって翔がぁ・・・。」




少し落ち着いたさなが小包みから何か見つける


「ん?
何これ?」


「あっそれは・・・。」


「えっ?
なになに?
これ手紙ぃ?」


「ちょっ・・
それは後で読んでって。」


「えー。。
何で?」


「マジで。
お願いだから!」


「はいはい。
分かったよ(笑)」


必死な俺に余裕のさな


さっきと立場が大逆転


「なぁ!海入らねぇ?」


「えっ?無理でしょ?」


「無理じゃねぇって!

ほらっ」


「でも…」



さなの小さな抵抗も空しく


俺はさなの手をひっぱりながら冬の海へと向かった
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