たった一人の親友へ〜another story〜
突然目の前が真っ暗になる


あぁ、俺死ぬのかなって


何だか実感する


身体に力が入らなくて


痛いっていう感情もなくて




ふとさなに書いた手紙を思い出した


いっぱいいっぱい強がって書いた手紙


もし振られたら


気まずくならないように、なんて用意したものだった


どんな風でもよかったんだ


君の人生に少しでも関わっていたかったから


こんなこと言ったら


“翔はずるい!”だなんて


また君に怒られそうだけど




でも


もう君の声を聞くことも


君に触れることも


君の笑顔を見ることも


できなくなるのかな?


あんなに近くにいたのに


結局はこんなに離れてしまうなんて


これも運命なのかな?


なぁ、さな


俺の隣にきて


俺を抱き締めながら


教えてよ


この答えのない問いの答えを


教えてくれ





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