たった一人の親友へ〜another story〜
さなの話したことは


俺の想像を遥かに超えたもので


今まで世界一不幸だと思ってきた自分が


恥ずかしくて


恥ずかしくて


目の前で泣くさなを


ただ愛しいと思った


守ってあげたいと思った


俺はまだ中学一年生で


包容力もなければ


経済力もないけど


純粋に


たださなを守りたいと思ったんだ






でも現実は


俺は何て浅はかだったんだろうと


思い知らされるだけだった


なぁ、さな


俺達はいつも一方通行だったな


お互いの気持ちを押し殺して


ただ無意味に側にいすぎた


俺が後少し大人だったら


何か変わっていたかな


なぁ、さな


答えてよ
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