たった一人の親友へ〜another story〜
相変わらず俺とさなは一言も口を聞かず


まわりのやつらは俺らに対して不思議な目を向けていた


「喧嘩でもしたのか?」


けんたは心配そうに聞いてくれたけど


逆に今の俺にとってその言葉は苛立ちの要因にしかならない


「なぁ、けんた。
携帯貸してくれない?」


「あぁ。
いいけど…なんで?」


「ん?ちょっとな。」


こうなったら最後の手段だ


俺は半ば強引にけんたの手から携帯を奪い取った
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