たった一人の親友へ〜another story〜
19歳の時に俺を身ごもった母親は


成すがままに実父と結婚した


“そうするしかなかったのよ”


これが当時の母親の口癖


22歳で離婚した母は俺を必死に育ててくれた


いつしか俺の心の中には


母親を守るのは俺しかいない、なんて


そんな陳腐な考えでいっぱいになってた


だから俺が小学校三年の時


母親から新しいお父さんを紹介されたことに


少しばかりショックを受けたのかもしれない


27歳の母にとっては


俺ではなく


大人の


しっかりした経済力のある男性が必要なんだと


幼心に感じた






でもこうやって


二人のあんなシーンを見てしまうと


予想以上にショックで


綺麗で優しい自慢の母が


急に汚らわしく思えたんだ
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