たった一人の親友へ〜another story〜
「ごめんね!待たせちゃって」


走ってきたのか少し顔が赤い


何だか分かんないけど


そんな姿が愛しくて、思わずさなの手を握った


「ううん。てか手冷たっ!」


そんな俺の行為にびっくりしたのか


さなは更に顔を赤くする


「翔どうかした?
何かあった?」


心配そうに俺を見るさな


「何もないよ。
ただの勉強疲れ。」


「そう?
あっこれ渡したくて」


さなから渡されたものは小さな受験のお守り


「これで合格間違いなし!」


満面の笑みでお守りをくれた




その瞬間さ


なんだろう


泣きそうになった


分かんないけど


“俺はここにいる”っていう


そんな安心感を持てた


その後少し涙ぐんだ俺を気遣って


彼女は俺の手を握りなおしてくれたんだ
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