たった一人の親友へ〜another story〜
新しい父さんは


本当にいい人だと思う


実の子でもない俺に精一杯の愛情をかけてくれて


別に嫌いなわけじゃなかった


ただ本当に心の底から馴染めないでいただけ


未だに父さんとは何気ない距離を感じるし


母さんはそんな俺を見て、悲しい笑顔を向ける


そして泣くんだ


母さんが悪かったって


こんな風に母親を傷付けたかったわけじゃない


ただ


ただ


俺は


本当の父さんをどこかで忘れたくなかったんだと思う


どこかで日々なくしていく記憶に罪悪感を感じながら
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