たった一人の親友へ〜another story〜
受験が終わった後


俺達四人は中学校生活に悔いが残らないよう、遊びまくった


ゲーセン


カラオケ


公園


遊園地


学校内


思い付く限りの場所へ行ったと思う


そのくらい俺達は思い出を作ることに必死だった




この時間が永遠に続けばいいと何度願っただろうか


隣にけんたがいて


和歌子がいて




さながいて




それだけで俺は幸せだから



でも神様はそんなこと許してくれるはずもなく


確実に時は進み


俺達は大人になっていく






卒業も間近に迫った日


一本の電話が真夜中に鳴った




“翔…
会いたいよ”




電話越しのさなの声は


震えていて


大分泣いた後のようだった




なぁさな


俺はいつかお前に言ったよな


“さなのことは俺が守る”


この約束


本気だったんだ


あの時の俺は本気で君を守りたかった


こんな無責任な約束


守れるはずもないのに
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