たった一人の親友へ〜another story〜
式の間ずっと振り返っていた


この中学で過ごした三年間を


何の希望も持っていなかった入学式


そこで俺はさなと出会った


似た者同士で


時にそれが喧嘩の原因になったり


すれ違いになったりしたけど


結局最後はいつも二人で笑い合ってた


大事で大事で


触れたら壊れてしまいそうで


親友と呼べる存在になった時には


俺はもう君に


恋をしてた


幼いながらちゃんと恋をしてた




辛い日々もあった


苦しい日々もあった


それでも君が隣にいるだけで俺は救われていたんだよ




今日この日


卒業式と共に


俺はこの気持ちからも卒業する


それがきっとお互いにとって最良の道だから


俺とさなが繋がっていける唯一の道だから




失うくらいなら諦めよう


そう心に誓った
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