たった一人の親友へ〜another story〜
俺が生まれて


三年たったある日


それは突然だった


父が今まで働かせてもらっていた会社から


突然クビを言い渡されたのは


父に悩んでいる暇はなかった


すぐに次の仕事を見つけなければ、家族を養っていくことはできないから


焦りと不安




いつの間にかそれは苛立ちに変わり


家族へと当たり散らす日々


母と父の間にははっきりとした亀裂が生じ始めていた


顔を合わせれば喧嘩ばかり


酒に溺れる日々




落ちるところまで落ちた生活の中で


残る選択肢は一つ


意外にもその決断を下したのは


母ではなく


父だった
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