たった一人の親友へ〜another story〜
あの日


あの時


さなの気持ちを聞くことを拒んだのは


間違いなく俺であって


それによって彼女が傷ついたのも


確実に俺のせいだった


あの時の感情は上手く言葉に表せない


だって


俺の心の中はいつもいつも矛盾だらけだから


あれだけ恋人という形が欲しかったのに


結局彼女の気持ちを受け入れることはできなかった自分


情けないのと同時に


俺は


さなが遠くに行ってしまうのが


怖くて


怖くてたまらなかったんだ




今思えば


俺が彼女抱いていた感情は執着心に近かったのかもしれない


今更どうにも出来ないけど


さなと別れるとか


離れるとか


そんなこと考えられなかったから




ずるくて


汚い自分
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