たった一人の親友へ〜another story〜
待ちに待った日曜日


待ち合わせ場所に向かう間、心臓の鼓動は早くなるばかりで


どうしてこんなに緊張しているのかも


どうしてこんなに嬉しいのかも


その時の俺にはまだ分かっていなかった




「おはよー。」


ちょっとうつむき加減のゆいの顔が、下から覗いた


「おはよ」


その日は一日中緊張と嬉しさであんまり記憶がない


でもゆいの笑顔だけは、はっきり俺の中にインプットされていて


その顔が一瞬さなとだぶった




この日のデートで俺とゆいは一気に距離を縮めた


相変わらずゆいは俺に対して冷たかったけど


でもその冷たさの中に確かに愛情を感じてた


純粋に彼女を好きだと思った


付き合うことが当然のことだとも思った


時々ちらつく俺自身の心の影に目を向けることも無いまま


俺とゆいは二ヵ月後


付き合い始めた
< 90 / 220 >

この作品をシェア

pagetop