たった一人の親友へ〜another story〜
それから三ヶ月間


今までのことは夢だったかのように


俺とさなは一切連絡を取り合わなかった




何度電話をかけようと思っただろう


何度会いに行こうと思っただろう


何度彼女を想っただろう




苛々してゆいにあたることも多かった


でも彼女は俺に何も聞かず


ただただ傍にいてくれた


この三ヶ月間


どれだけゆいに支えられたか。


それでも


俺の心は数ヶ月前と同じように、ぽっかり穴が開いたままだった


誰かの優しささえ疎ましく思えることもあった


俺は甘えてたんだと思う


ゆいの優しさにも


愛情にも


全てにおいて


甘えてたんだ


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