ひまわりハウス
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あっという間に日は暮れて闇空に星達が輝く。
昼間はあんなに煩かった蝉の声は無く、鈴虫の心地好い声と風の音だけが聞こえる。
あたしは縁側で横になっていた。夜の風は涼しくて気持ちいい。
「…………ふぅ……」
目をつぶり風だけを感じる。家族が増えた食事はさらに賑やかさを増していた。
ただ…気になる事もある。海月は不意に悲しいような、戸惑ったような顔をする。
海月はあたしと同じ高校3年生で18才。
やっぱり戸惑いもあるんだと思う…。
「うーん…どうしたらいいのかな…」
「…何がだ?」
「うん…実は…ってえぇ!?」
慌てて目を開けると海月があたしを見下ろすように座っていた。
「海月っ!!」
びっくりした…ちょうど海月の事を考えていたから…
「そんなに驚く事か?
それより…何してんだお前」
海月はあたしの隣に腰を下ろした。
「うーん…黙想?」
「何で疑問形なんだよ」
海月とあたしは顔を見合わせて笑った。