俺の姫様



「はぁ!?」


こいつはいったい、今日何度同じ言葉を言ったんだろう。


そりゃそうだよな。

女が嫌いで、彼女なんていたことが無ければ、人を好きになったこともない俺に、彼女がいると噂され、その上恋をして、実はデートにも誘ってたら。

そりゃ驚くよ。


「お前…好きだって自覚も無いのにデート誘ったのかよ!チャラいな!」


「うるせーなぁ。よくわかんないけど、怒らせちったから、なんかおごるつっただけだよ。」

「ふーん。で?いつ行くんだよ。」


「日曜。」

「今日って何曜日?…木曜か。……3日後じゃん!!」


小さくため息をつきながら翔も俺の横に寝転ぶと、静かに吹いた風が、俺達の髪を揺らした。



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