俺の姫様



…そういえば、アドレスとか知らないんだよな。

デートに誘ったのはいいものの…待ち合わせ場所とか決めてねーし。

ってことは、また会いに行かないといけないんだ…。


「お前らしくやれよ。桜崎月夜が臆病とか気持ち悪いしな。」

「…ははっ。そうだよな。」


あんなに強気だったのに、急に弱々しくなった自分に笑えてきた。
翔の言う通りだ。俺らしくない。


「お前ならきっとうまくいくよ。自信持てって!」

「あぁ。サンキュ。」


いい加減で、テキトーで…ふざけたやつだけど、けど、すごくいいやつだ。人を思いやることができる。

そんなこいつだから、俺はこんなにも、ありのままの自分を見せることができているのかもしれない。


水野翔だからこそ、長い間付き合ってこれたし、親友だと思えるんだ。




< 71 / 100 >

この作品をシェア

pagetop