俺の姫様
翔と2人で空を見ていると、鐘の音が聞こえた。
時計を見ると、5限目の終わる時間…はとっくに過ぎていて、あの鐘は、6限終了を知らせるものだったことに気付く。
2時間もここで話していたらしい。
今日は7限は無いし、教室に戻ることにした。
屋上を出る時、翔は俺の肩に手を置きながら「幸せにしろよ。」と笑顔で言った。
何だか深い意味があるようにも感じたけど、気にしないことにした。今は、それが1番いいと思ったんだ…。
翔の言葉の真意を、暫くしてから知ることになるなんて、この時の俺は微塵も思っていなかった―…。