俺の姫様



やっと来た。
俺が今1番会いたい人。


姫梨に会おうと、決心してここで待ってた。

きっと、あの心からの笑顔を見せてくれる。…そう思ってたけど、違った。


かばんをぎゅっと握り、ちょうど俺の足下の辺りを伏し目がちに見ている。


「…久しぶり。」

先に姫梨に話しかけたのは、俺ではなく、翔だった。


『久しぶり、だね…。』

「…元気だった?」

『うん。…翔ちゃんは?』

「俺はー…ほらっいつも元気!…だから、さ。」


急に気まずい空気が流れ出した。

2人が知り合いだってことはわかったけど、何故かすごくぎこちない。


お互いに気をつかってるのが、よくわかる。



< 75 / 100 >

この作品をシェア

pagetop