俺の姫様
やっと来た。
俺が今1番会いたい人。
姫梨に会おうと、決心してここで待ってた。
きっと、あの心からの笑顔を見せてくれる。…そう思ってたけど、違った。
かばんをぎゅっと握り、ちょうど俺の足下の辺りを伏し目がちに見ている。
「…久しぶり。」
先に姫梨に話しかけたのは、俺ではなく、翔だった。
『久しぶり、だね…。』
「…元気だった?」
『うん。…翔ちゃんは?』
「俺はー…ほらっいつも元気!…だから、さ。」
急に気まずい空気が流れ出した。
2人が知り合いだってことはわかったけど、何故かすごくぎこちない。
お互いに気をつかってるのが、よくわかる。