俺の姫様
私の気持ちは決まってた。
翔ちゃんが何を言ってくるかは、想像もつかなかったけど、何を言われようと自分の意思は曲げないと胸に誓って、10日振りに閉めきっていたカーテンを開けた。
空は、澄みきった青。
その青がまた、私の背中を押してくれた。
今回のパーティーは、主催が茶道の家元なだけあって、ドレスコードが《和服もしくは和をモチーフにしたもの》になっている。年に1度、1番日本らしいパーティー。
私のドレスは、ミニ丈の赤地に白とピンクの蘭の花がデザインされていて、襟元と裾にはフリルがあしらわれた、着物をベースにしたものだった。
普段のドレスとは少し違って、帯を巻くといつもより背筋がピンッとして、気持ちも引き締まった。
…様々なものが、私を応援してくれているような、そんな気がした。
絶対に…翔ちゃんと話をするんだって、逃げずに気持ちを伝えて、スッキリするんだって、そう決意してパーティー会場の葵庭園に向かった。