俺の姫様
『いったーい!』
ペチッとデコピンされた額は、本当は全然痛くなんかなくて。
満面の笑みの月夜を見てたら、なんだかそう言いたくなったの。
なんでこんな気持ちになるんだろう?
翔ちゃんとのこと話したいって思ったり、嫌われちゃったかもって不安になったり…。
「んじゃまたな!…日曜、忘れんなよー。」
月夜がまたなって言いながら、私の頭を撫でたところに意識が集中して、熱を持ってる。
『…忘れないもん。』
私、好きだ…月夜のことが…好き。
夕日よりも輝いて見える月夜の背中に、小さく呟くと同時に、自分の気持ちにも気付いた。
…この恋は、うまくいくといいな―…。