−流星−
その夜、いつもとは違うドキドキを抱えながら携帯を手にした。

どうか悪い嘘であって欲しいとほんの少し願いながら…


トゥルルルル…

いつもより長めのコールだ。

もしかしたら取るのを躊躇ってるのかもしれない。

「…もしもし」

「おうっどうした?」

どちらから掛けても始めはこのセリフ。
私達の合言葉みたいなものだった。

「あのね、聞きたい事あるんだ…」

「ん?何?」

何の事か想像はついているようだった。
ごまかすのが下手な所がまた可愛かった。

「恵子さん…妊娠したんだって?」

「……あぁ。」

「マサ、どうするの?」

必死に問い掛けた。

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