−流星−
薄暗くなった校舎に所々ポアッと明かりが灯る。

暗がりに見える人影。
それがマサだとすぐ分かった。


「お待たせ」

確実に緊張しながらも、嬉しさが顔中に出ている自分が分かった。
食堂の前だけ周りより少し暗くなっている事に感謝した。

「もう一回改めて言うな!俺がずっと傍に居るから、俺と付き合ってくれ!」

迷いはなかった。

コクンと頷いた私の体がフワッと抱き寄せられる。

優しい時間、懐かしい温もり。

幸福を手に入れた瞬間だった。


このままずっと幸福な日々が続くと信じていたし、そうあって欲しいと願っていた。


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