−流星−
第三章
小さな幸福が当たり前のようになっていたある日。
貴士からマサの彼女の恵子さんが悩んでいると聞かされた。

「マサと付き合うつもり?」

「…。」

「俺は愛が決めた事なら何も言わないよ。」


迷った。


略奪してもイイじゃないかと考えていた自分が恥ずかしくなった。

もし私が恵子さんの立場なら悔しくて、悲しくて、何処にも行き場の無い想いを胸一杯に抱え込んで、少しでも涙が流れないように空ばかり見上げているだろう…

精一杯の女の強がり。



今の私がしなければいけない事。

マサに会わなきゃ。


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