あいつの青春
「……?」
俺は不思議に思って自分の手を下におろして
翔汰の目の前まで歩いていった。
「翔汰……?」
疑いたくなるほどさっきまでの翔汰とは、
雰囲気、顔つきまでもが違って見えた。
「……お前、誰。」
翔汰が静かに俺を睨みながら口を開いた。
はっきり言って怖かった
翔汰は俺に警戒心…
いや、
殺気…と言うのが正しかったんだろう。
「誰って―…
ヒロじゃん!見えてないのかぁ?」
時間は午後五時を過ぎていた。
冬が近いから暗くなるのが早かった。
だからただ、暗くて俺の顔が見えてないだけだと思った。