あいつの青春
「っ―…。
それでも、俺には親父しかいなくて…
でも、親父は俺のことなんかには見向きもしないで…」
一瞬言葉に詰まったけど深多さんは話を続けた。
「自分の稼いだ金だからってスナックだ、
キャバクラだ、って
のんだくれて…」
「深多さん。無理しなくて良いから」
それでも深多さんは話を続けた。
「俺が小6ん時…
どこの誰だかわかんねぇ連中と喧嘩してたんす…
相手は5、6人いて
俺1人で相手にして…
勝ったんですけど、
相手は鉄パイプとか使ってきたんで
俺まじでボロボロで…
路地裏で倒れてて…」