あいつの青春
「そこを組長の龍汰さんに拾われて…
龍汰さん…何も聞かずに『お前俺ん所に来い』
って言ってくれて…
そこから組長は俺の親父で…命の恩人で…
感謝してもしきれないくらい…」
深多さんは急に俺の顔を見た。
「さっきのヒロさんの寂しそうな背中…
ちょっと似てたんです
親父に怯えて…
母親にも捨てられて…
誰も信じれなくなって
早く死にたいって思ってた昔の俺に…」
「そっか…
ごめんね、俺のせいで
嫌なこと思い出させちゃって…
話してくれてありがとう洸さん…?」
「え…あ、やぁ…
俺が勝手に思って喋っただけなんで…」
「んーん。
ありがと、話してくれて俺だって何もしらないで
大好きな人たちと接するのなんて嫌だからさ♪」