暴れる帝姫
~翌日~

うっ、まぶしいわ

私に朝日はまぶしすぎる

夜の暗闇が私は好きよ

重いからだをおこしてシャワーをあびる

制服に着替え準備をしていると、執事のじいやが

いつものように薬を持ってきた

「はいお嬢様。朝の薬でございます。」

「いつも悪いわね じいや」

いえいえと微笑んでくれる

これも、あと1年ないのね

「お嬢様!そんな悲しいことおしゃらないでください。」

聞こえたのね

「あの時私めが、旦那様止めていられれば 奥様を救えればこんなことには」

「じいやのせいじゃないわ」

今日は、ひとりでいくわ

そう言い残して本社をあとにした





~じいや~

「じいやのせいじゃないわ」

そう言って行ってしまったお嬢様

本当に心優しいお人だ

あの時、みてみぬふりをしていたと知っていて接していただけるなんて

でも、心は凍りつき、身体は日に日にやつれボロボロになっていく

だれか、すくってくれないだろうか

あの氷を溶かしてくれないだろうか

お嬢様の命が失われる前に、もう1度あの女神のような

あの笑顔を もう1度みたい





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