永劫の罪人 光の咎人
六章
夜の闇が深まり、街の灯りもまばらになった頃。
各々に馬へ乗ったロンドとガストは、並んで教会への帰路につこうとしていた。
行きのときよりも沈黙が重い。
昼間の喧噪はすでに消え、馬の歩みだけが耳に聞こえてくる。
ロンドは苦しげに目を細めながら、これからのことを考える。
マテリアとハミルの過去をあばいて、二人を苦しめたくはない。
これからも過去を思い出さずに仲よくしていけるなら、それに越したことはない。
(明日から今まで通りにしないと……僕にできることは、それだけだから)
その反面、このまま二人を会わせ続けていいのだろうか? とも思う。
ビクターに話を聞いてから延々と考えていたが、答えは出なかった。
ロンドは細長く息を吐き出した。
「大丈夫ですか、ロンド様?」
宿屋を出てからずっと無言だったガストが、いつもより低い声で尋ねる。
心配をかけないように答えたいが、そんな気分になれなかった。ロンドは小さく頭を振る。
「……すみません。まだマテリア様がハミル様を手にかけたことが、信じられなくて……」
「私も同感です。未だに信じられません」
そう言ったきり、二人は再び無言になった。
馬たちの足音と息づかいだけが、ロンドの耳によく響いた。
各々に馬へ乗ったロンドとガストは、並んで教会への帰路につこうとしていた。
行きのときよりも沈黙が重い。
昼間の喧噪はすでに消え、馬の歩みだけが耳に聞こえてくる。
ロンドは苦しげに目を細めながら、これからのことを考える。
マテリアとハミルの過去をあばいて、二人を苦しめたくはない。
これからも過去を思い出さずに仲よくしていけるなら、それに越したことはない。
(明日から今まで通りにしないと……僕にできることは、それだけだから)
その反面、このまま二人を会わせ続けていいのだろうか? とも思う。
ビクターに話を聞いてから延々と考えていたが、答えは出なかった。
ロンドは細長く息を吐き出した。
「大丈夫ですか、ロンド様?」
宿屋を出てからずっと無言だったガストが、いつもより低い声で尋ねる。
心配をかけないように答えたいが、そんな気分になれなかった。ロンドは小さく頭を振る。
「……すみません。まだマテリア様がハミル様を手にかけたことが、信じられなくて……」
「私も同感です。未だに信じられません」
そう言ったきり、二人は再び無言になった。
馬たちの足音と息づかいだけが、ロンドの耳によく響いた。