永劫の罪人 光の咎人
四章
柔らかな緑の葉をつけた木がまばらに並ぶ道を、ロンドたちは足取り軽やかに歩いていく。
教会の裏手に広がる森は、木もれ日が重なりあい、鬱蒼とした暗さを打ち消していた。
薄雲が日ざしを和らげているおかげで、辺りに漂う陽気は誰の身にも心地よかった。
意気揚々と歩くマテリアが、声を弾ませる。
「うわー懐かしい。よくこの森にきて三人で遊んだな。初めてハミルと出会ったのも、この森だったよな?」
マテリアの隣を歩いていたハミルが、わずかに顔を向けて微笑んだ。
「そうだね。私が森で薬草を摘んでいたら、突然マテリアが木の枝にぶら下がって現れたから、すごく驚いたよ」
「最初はハミルが珍しくて眺めるだけだったなあ。けど、ハミルが大山猫に襲われそうになって、私がかばって追い払って、そこから仲よくなったよな」
マテリアは左の傷跡をなで、苦笑をこぼす。
「あの頃は私が弱かったせいで、あんな大山猫なんかに不覚を取ったよ。ハミルが無事だったからよかったけど……今なら何匹でも相手にできるのに」
二人は和やかに話しているが、はたで聞いているだけで、痛々しくて血の気が引いてしまう。
この話を聞いていると、マテリアが少女ではなく、野生味あふれる少年に見えてくる。
教会の裏手に広がる森は、木もれ日が重なりあい、鬱蒼とした暗さを打ち消していた。
薄雲が日ざしを和らげているおかげで、辺りに漂う陽気は誰の身にも心地よかった。
意気揚々と歩くマテリアが、声を弾ませる。
「うわー懐かしい。よくこの森にきて三人で遊んだな。初めてハミルと出会ったのも、この森だったよな?」
マテリアの隣を歩いていたハミルが、わずかに顔を向けて微笑んだ。
「そうだね。私が森で薬草を摘んでいたら、突然マテリアが木の枝にぶら下がって現れたから、すごく驚いたよ」
「最初はハミルが珍しくて眺めるだけだったなあ。けど、ハミルが大山猫に襲われそうになって、私がかばって追い払って、そこから仲よくなったよな」
マテリアは左の傷跡をなで、苦笑をこぼす。
「あの頃は私が弱かったせいで、あんな大山猫なんかに不覚を取ったよ。ハミルが無事だったからよかったけど……今なら何匹でも相手にできるのに」
二人は和やかに話しているが、はたで聞いているだけで、痛々しくて血の気が引いてしまう。
この話を聞いていると、マテリアが少女ではなく、野生味あふれる少年に見えてくる。