ガラスのタンポポ#虹
「さ、到着!」


“翔ちゃん?”


「軽井沢へようこそ」


満面の笑みをたたえた奏来。


オレだけの、奏来。


「奏来、先にホテル入ってろよ。オレ、車止めて荷物持って行くから」


頷いて車を降りる奏来を置いてホテルの駐車場へ車を置き、フロントでチェックインして、とりあえず部屋へ入った。


ホテルの部屋は、ダブルベッドが1つのありきたりな部屋。


だけど、もうここはオレと奏来だけの空間。


そう思うと気持ちを抑えきれずに、小さな奏来を後ろから抱き締めた。


「奏来…」


奏来は何も言わずにオレの腕にしがみついた。
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