ガラスのタンポポ#虹
“翔ちゃん?”


奏来はオレが手渡した包みを眺めて首を傾げる。


「クリスマスプレゼント。開けてみろよ」


赤と緑のリボンをほどいて解かれた包みの中身は。


シトリン・クォーツの小さな指輪。


「ガラスじゃない黄色いタンポポだよ。公園で見つけらんなかっただろ?だから枯れないタンポポ。きっと奏来に似合うと思って、さ」


奏来は黄色く輝く小さな石の乗った指輪を眩しそうに見つめて。


オレに差し出す。


“はめて?”


「うん」


奏来の左手の薬指にはめると、ピッタリ指におさまった。


“翔ちゃん”


「ん?」


“ありがとう”


「もう、はずすなよ?」


“うん”
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