ガラスのタンポポ#虹
「じゃ、蓮、また明日なー」


「えーっ!明日も学校かよ」


「お前な、今週始まったばっか、学校ってモンは平日あるモンなんだよ」


「なんだよ、翔っておもしろくねぇの。な、たまには合コンとかどう?」


合コン、か…。


そんなモンで気が紛れるくらいなら、とっくにいろんな女あさってるよ。


「パス。オレ、興味ねぇし」


「ふーん…。それってアノ子がいるから?」


あの子…?


蓮の視線を追うと、そこには。


見慣れたオレの卒業した高校の制服を着た、奏来…?


じゃなく。


「花音…」


「オレ、じゃまみたいだから帰るなー。合コンはまた今度っつー事で、な」


オレの肩を軽く叩いて帰って行く蓮を、何の言葉もなしに見送った。
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