ガラスのタンポポ#虹
「翔くん!」


「…何で来たんだよ」


「高校受かったよ?この制服、翔くんに見せたくて来ちゃった♪」


「………」


「ね、あそこ、喫茶店で話、いいか、な?」


先を歩く花音といつか入った喫茶店へ。


オレは今更花音に合わせる顔もかけてやれる言葉も、ない。


花音に奏来を探そうとも思わない。


大切な奏来は、奏来。


花音じゃない。


アイスティーを注文して、ただ花音の言葉を待った。


全て。


拒むつもりで。
< 134 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop