ガラスのタンポポ#虹
「あのね、翔くん」


「ん?」


「タンポポの花言葉って、‘真心の愛’とか‘別離’とかなんだって。なんか似合うよね?悲しいけど翔くんと奏来ちゃんにピッタリ」


‘真心の愛’と‘別離’か…。


「ホントだな。オレ、一生この花に振り回されるんだろうな。春になって咲いて綿毛になって飛んで、また春が来て咲いて綿毛。繰り返す度にオレは奏来を思い出すんだな」


「でも、尊いでしょ?」


「尊い、か…」


「うん。そんな大切な想いを、あたしは翔くんに忘れてほしくないな。…なんて。ホントは翔くんのありったけの気持ちをもらえたらどんなに幸せだろう、なんて考えてるクセに、あたしってばウソつきだよ、ね」
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