ガラスのタンポポ#虹
泣き崩れる花音の向こうに、虹が射した。


七色に明るく輝く希望の光、虹。


「花音、見ろよ。虹だ」


「…っ…っ…。涙で…見えない…っ…」


「じゃあ、オレがその涙を涙を拭うよ。見てごらん?」


顔を上げて青い空に虹を探す花音。


「虹…。虹が光ってる…」


「あの虹を2人で追おう」


「翔くんは…あたしでいいの?」


「花音と雨に濡れたい。そして虹を見たい」


「翔くん…!」


きれいに溢れ出る涙を拭い、オレは花音を抱き締める。
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