ガラスのタンポポ#虹
「何か飲み物買って来るから、待ってろ」
「…うん」
タピオカ入りのミルクティーを買って席に戻ると、花音は今にも泣き出しそうな顔で謝った。
「…ごめんなさい」
「車椅子がとれたのは、家で大人しくする分にはかまわないって意味だろ?こんな所まで1人で電車乗って、オレがいつ帰るかもわかんねぇのに待ってちゃダメじゃん」
「だって…。だって早く翔くんと並んで歩きたかったんだもん…」
「わかるけどさ、今更焦るなよ。呼べばオレの方から行くから、さ」
「うん…。ごめんなさい…」
潤んだ目をこすってそれっきり黙ってしまった花音を見て、胸が痛んだ。
ダメ出しじゃなく、よく来たな、って言えなかったオレは。
やっぱり花音にふさわしくないんじゃないか。
今日まで弱音を吐く事なく、懸命にリハビリに励んできた花音に1つでいい、優しい言葉をかけてやれない、オレ。
オレと並びたい。
そう願ってここに来た花音を抱き締めてやれない。
つくづく情けないよ、な。
「…うん」
タピオカ入りのミルクティーを買って席に戻ると、花音は今にも泣き出しそうな顔で謝った。
「…ごめんなさい」
「車椅子がとれたのは、家で大人しくする分にはかまわないって意味だろ?こんな所まで1人で電車乗って、オレがいつ帰るかもわかんねぇのに待ってちゃダメじゃん」
「だって…。だって早く翔くんと並んで歩きたかったんだもん…」
「わかるけどさ、今更焦るなよ。呼べばオレの方から行くから、さ」
「うん…。ごめんなさい…」
潤んだ目をこすってそれっきり黙ってしまった花音を見て、胸が痛んだ。
ダメ出しじゃなく、よく来たな、って言えなかったオレは。
やっぱり花音にふさわしくないんじゃないか。
今日まで弱音を吐く事なく、懸命にリハビリに励んできた花音に1つでいい、優しい言葉をかけてやれない、オレ。
オレと並びたい。
そう願ってここに来た花音を抱き締めてやれない。
つくづく情けないよ、な。