ガラスのタンポポ#虹
「ゴメンな、花音」


「ううん…。無理したあたしがいけなかったの…。迷惑ばかりでちっとも翔くんに近づけないね…」


違う。


近づけないのは、花音のせいじゃない。


一歩、二歩と花音は確実に前に進んでるのに、同じだけオレの方が花音から遠ざかってしまうから。


だからこの距離が縮まないんだ。


もう、いいんじゃないのか…?


気持ちは奏来に置いたままでも、少し花音に近づいてみないか?


オレと歩きたいと言った花音。


その一心で頑張ってきた花音を見てみないか…?


オレがした仕打ち、えぐった傷を癒してやる事はできないのか?
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