【短編】アタシの年下クン




アタシのつまらない意地で、透大を失うなんて絶対に嫌だから。


…嫌なの。




「…行かないでっ!」




もう…


意地を張るのは、疲れたよ。




「――――スキなの…!」


「……っ…」




アタシの叫びに、透大が短く息を吸った。


驚いたように瞳を張り詰めたまま、アタシを見つめてる。




「し、お…」


「スキなの!大スキなの!」




あぁ、もう止まんない。


一度言ってしまえば、箍が外れたかのように想いが溢れだしてくる。




「透大がスキ…っ!だから!」




キュッと服を掴み、顔を上げた。




「――――他の人のとこになんて、行っちゃヤダよ…」




そう言うと、アタシの瞳から涙が溢れた。
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