【短編】アタシの年下クン
「何ですか、紫苑さん」
「あ、あの…っ」
うぅっ。
何か怒ってる…
透大の声が、低い。
「紫苑さん?」
あぁ、もうっ!
女は度胸よ!
キッと透大を睨み上げる。
「あ、アタシ見たんだから!透大が女の子といるとこ…!」
「…は?」
「とぼけないでよ!今日の昼間に…」
「あぁ、それですか」
「へ?」
え、何、こんな簡単に認めるものなの?
キョトンとしたアタシに、透大は笑いながら言葉を紡ぐ。
「あれは俺の兄貴の恋人です。俺と同い年の」
「え?」
「もうすぐ兄貴が誕生日なんで、プレゼントを選ぶのを手伝ってほしいと」
その話を聞いた途端アタシは、トマトのように顔が真っ赤になった。