【短編】アタシの年下クン
は、恥ずかしいぃ…!
何なの、そのベタな勘違いはっ!
アタシの馬鹿馬鹿馬鹿ぁっ!
「紫苑さん、俺が浮気したと思ってたんですか?」
「……っ…」
「ひどいです」
言い返す言葉もない。
しゅん…とうなだれたアタシの頭に、透大はそっと手を乗せた。
「俺がするわけないでしょう、そんなこと」
「うっ…ごめんなさい…」
「でも」
覗き込むようにアタシの顔を見た透大。
その顔が、とても優しくて。
アタシは一瞬息をするのを忘れた。
「嫉妬した紫苑さんが可愛いかったので、許します」
ニコッと笑った透大に、アタシは顔が熱くなるのを感じた。