【短編】アタシの年下クン




そんなアタシに透大は顔を近づけてくる。




「まっ…!」


「待たない」




どれだけ焦らすつもりですか。



そう言うやいなや、アタシの唇は透大のそれに塞がれた。


啄むような優しいキスに、アタシはそっと体の力を抜いた。




「紫苑さん…」




熱い視線が注がれ、アタシは体が震えた。


欲しい。


透大が、欲しい―――。




「っ透大」




アタシから透大を求めるなんて、今までなかった。


透大は驚いたように目を見開いたが、すぐに優しく微笑んだ。




「仕方ない人ですね、紫苑さんは」




ひょいと軽々と抱き上げられ、アタシは透大の首に腕を回した。


それに答えるように透大はアタシにキスを落とす。


何度も何度もキスを繰り返し、透大はアタシをベッドに体を沈めた。
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