【短編】アタシの年下クン
フンだ。
どうせめんどくさいヤツって思われてるんだ。
いいよ、いいよ。
アタシだって。
「何かあったんですか?」
投げやりな思考を読んだような問いかけに、ピクリと肩に力が入る。
そんな変化を透大が見逃すはずがなくて。
「何があったんですか。話してください」
ほら、いつもそうなんだもん。
優しい声色で諭すように話す。
まるで幼い子供に話しかけるように。
……年下のくせに。
「紫苑さん?」
――――透大クンっ!
昼間に聞いた、甘い声が耳にべったりと張り付いている。
「ッ、ほっといて!」
やだ。
アタシ、余裕なさすぎ。
それもこれも全部、昼間見た光景のせい。