“愛してる”と伝えたくて【完】

「何してんの?」

「うーんと…あはは、ちょっと…ね」

言えない…パン買えなくて泣いてたって…

「どうした?言ってみろ」
「ん?言えない事か?」

悠心が優しい!!

ヤバイ!!

こんなことされたら言っちゃうしかないでしょ!!

「あ、のね。パン買えなかったの」

悲しいよね…

「…なんだ、そんな事か」
そんな事ぉ?!!

命に関わる大事な事なのに…

分かってないなぁ!

もぉっ!

そんな事を考えていたら、目の前にレジ袋。

「やる。」

「えっ?!いいの?」

「あぁ」

「ありがとー」

と言って私はニコッと笑ってみた。

そうしたら、悠心は目をそらした。

そんなに、私の顔は変ですか。

そーですよ。どーせ変な顔ですよーだ。

馬鹿と言いたいところだが、言えるはずもなく…心の中にしまって置いた。
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