“愛してる”と伝えたくて【完】
―結理亜が死んだのなら、俺は誰を愛せばいいんだ?
誰を好きになればいいんだ?
最愛の人を失った俺はどうすればいいんだよ…――
「結理っ亜ぁ、愛、してる」
この言葉は、ずっと言えなかった。
後少しで言う予定だった。
なのに、
俺は、
結理亜の前で言う事は無かった…
言え無かった。
もう、結理亜は俺の言葉に反応してくれない…
――
「愛してる」
「私もだよ。悠心。愛してる」
――
こういうのを、期待してたのに。
言いたかった。
言えなかった。
この言葉を言うのは、遅過ぎた。