“愛してる”と伝えたくて【完】


咲季とね。

さっきまでうるさかった奏多と白夜が静かになった。

風心はコッチをじーっと見ている。

えっ?

私、何かした?

えっ?

しちゃった?

「…結理亜、付き合ってる人いたのか?」

えっ?

何?

なんで私、悪者になってんの?

これじゃあ、二股って思われてんじゃん!!

私の頭はプチパニックしていて、悠心の質問に答えられなかった。

ん?

私悠心と付き合ってるから二股じゃないなぁ。

でも、私悠心と付き合ってるから否定はできないなぁ。

まぁ、付き合ってる人がもう1人いたら別だけどさ。

「…そうだったのか」

悠心の声は、低くて悲しそうな声だった。

…悠心のこういう声、初めて聞いた。

「…ちっ、違う」

違うんだよ。

悠心は絶対誤解してる。

だから、否定しておいた。

< 82 / 203 >

この作品をシェア

pagetop