“愛してる”と伝えたくて【完】
咲季とね。
さっきまでうるさかった奏多と白夜が静かになった。
風心はコッチをじーっと見ている。
えっ?
私、何かした?
えっ?
しちゃった?
「…結理亜、付き合ってる人いたのか?」
えっ?
何?
なんで私、悪者になってんの?
これじゃあ、二股って思われてんじゃん!!
私の頭はプチパニックしていて、悠心の質問に答えられなかった。
ん?
私悠心と付き合ってるから二股じゃないなぁ。
でも、私悠心と付き合ってるから否定はできないなぁ。
まぁ、付き合ってる人がもう1人いたら別だけどさ。
「…そうだったのか」
悠心の声は、低くて悲しそうな声だった。
…悠心のこういう声、初めて聞いた。
「…ちっ、違う」
違うんだよ。
悠心は絶対誤解してる。
だから、否定しておいた。