“愛してる”と伝えたくて【完】
「やっぱりお前だったんだ」
ヤダ、嫌だ。
蘇るあの時の恐怖。
そんな私を見て、咲季が
「帰ろう?結理亜」
と言ってくれた。
「…ぅん」
私が歩いて、絋磨の横を通り過ぎようとしたら、…肩を捕まれた。
「お前さぁ、今付き合ってる人いるか?」
「…い、るよ」
悠心がね。
「別れろ」
「えっ?」
悠心っ、助けて…。
「別れねぇと友達がどうなってもいいのか?」
…あの時と同じだ。
「別れたら俺と付き合え」
絋磨は私に紙を渡して来た。
「メールアドレス書いてあるから。メール送って。俺が呼び出したらすぐ来る事。分かったか?」