薬指のマニキュア
あの微笑みはきっと諦めた笑みだったんだろう


静夏「その親友の子は…?」


母(洋)「もちろん、その子も感染しちゃったわ。
それで、元々病気と重なって二年前だったかしら…、亡くなったのよ…」


静夏「……ッッ!!!」


母(洋)「本人は何も言わなかったけど、学校では…」



╂──╂──╂──╂──╂─

男生徒A「ワタルを殺したのはお前だ!!」


男生徒B「お前は殺人犯だよ!」

╂──╂──╂──╂──╂─


母(洋)「ほぼ全員のクラスメートに犯罪者扱いをされたらしいわ。担任の先生が教えてくれたのよ…」



涙が出た。
目を閉じるとその景色がはっきり見えた



静夏「洋治は悪くないのに…」


少し震える肩に優しく手で
さすりながら


母(洋)「そうね。でも私たち大人は学校を辞めさせる事しか出来なかった。
洋治は学校を辞めたくなかったみたいだったけど」


理解が出来なかった


静夏「何でですか?みんなにイジメられたのに!!」


母(洋)「分からないの…
洋治は洋治なりに私に気を使ったのかしら…」


私の中で何かが崩れ落ち何かが固まった

自分の親に何を言われようと、私この牧村家と仲良くしたい。って思った



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