薬指のマニキュア
この綺麗な顔立ちなのに体内に爆弾を抱えてる洋治が
私にとって大切な存在になるとは……



洋治「寒くなって来たね。
冬ってあまり好きじゃないんだ」



洋治は初めて顔を歪めた



静夏「寒いもんね」



洋治「寒いもあるんだけど、何か‥寂しくて…」


何だろ。

この人も【寂しい】って思うんだ…って思った



静夏「ね?私とあんたってタメだよね?」



洋治「そうなの?いくつ?」



静夏「今、高三の18歳」



洋治「俺はまだ17歳だけど一緒だね(笑)」



静夏「何?それって嫌み?」



意地悪く笑う洋治に
目をうつろにして答えた


そして2人で小さく笑った



静夏「うちの学校じゃないよね?何処に行ってるの?」



洋治「高校には行ってないんだ!行ってもまたイジメられるしな!
それに俺ってエイズじゃん?」


静夏「……ッッ!!
ごめん…。タバコを吸い終わったから寝るね。じゃ。」


私は明るく言う洋治の言葉に絶えきれず
その場から逃げる様に部屋の中に入った


病人の口から病名を言われると
関係ない他人の私でも辛い…




次の日、学校から帰って来た私は初めて洋治のお母さんにあった。
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