薬指のマニキュア
静夏「やっぱり美味しくない」


イライラが治まってないセイか
火の点いたタバコの先を睨みつけ言う



向かい側にある一軒家から笑い声が微かに聞こえる



静夏「幸せそうだね…羨ましいよ」


少し涙をにじませタバコの火を消し
再び新しいタバコに火を点けた


洋治「2本目…未成年がいけないんだよ(笑)」


私は隣のベランダを見た
そこには優しく笑う洋治が立っていた



静夏「び、びっくりした。いつから居たのよ!」


洋治「さっきから居たよ☆」



明るく笑う洋治に泣いてた姿を見られない様に焦って話した


静夏「わ、私がタバコを何本吸おうと関係ないじゃん!!」



洋治「関係ないけど、女の子がタバコなんてみっともないよ」

静夏「あんたは私の親か!」


洋治「ん゛〜、見張り役?」


っと笑いながら言った


静夏「いつから見張り役になったのよ!!」


私も少し怒って、少し笑って言い返した



洋治「ね?タバコって美味しいの?」


洋治は自分の部屋のベランダに少し身を乗り出し
目をまん丸にさせ聞いてきた



静夏「美味しいから吸ってんの!!」


嘘をついた



洋治「ふぅ〜ん。ね?一本頂戴よ!」



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